工事現場や製造ラインなど、さまざまなシーンで使用される「ねじ」
しかし、振動や温度変化などにより、ねじの緩みは必ず起こり得る問題です
緩みは事故や不良の原因になるため、確実な緩み止め対策が必要です
本記事では、ねじの緩み止めの種類と特徴、選定時のポイントについて解説します
ねじの緩む原因
ねじが緩む主な原因は以下のとおりです
• 振動や衝撃:機械や車両など、動きのあるものに特に多い
• 温度変化:金属の膨張・収縮によって緩みが生じる
• 繰り返し荷重:繰り返し力がかかると、ねじが少しずつ回転して緩む
• 初期の締付け不足:トルク管理が甘いと緩みやすくなる
ねじ緩み止めの主な種類と特徴
スプリングワッシャー
安価で手軽。軽い振動に有効
電気機器、小型機械などに使用
ナイロンナット(ナイロック)
再使用不可。樹脂でロック
自動車部品、振動部位に使用
緩み止め接着剤(例:ロックタイト)
液体でねじ部を固定。中強度〜高強度あり
モーター、バイク、自転車に使用
ダブルナット
2個のナットで締結
重機、仮設足場に使用
セレーション付きフランジナット
裏面がギザギザで回りにくい
振動のある箇所全般に使用
ワイヤーロック
穴あきボルトに針金を通す
航空・鉄道など安全重視箇所に使用
緩み止めを選ぶポイント
使用環境を確認する
• 振動があるか?
• 高温 or 低温になるか? • 湿気・油・薬品に触れるか?
取り外し頻度を考慮する
• 頻繁に分解が必要な箇所 → ワッシャーやダブルナット
• 分解しない → 接着剤やナイロンナットなども選択肢に
コストと施工性のバランスを見る
• 大量に使う現場 → 手間がかからず、再利用できるものがベター
• 安全性重視 → 初期コストが高くても確実なロック機構を採用
現場でよくある失敗例
• スプリングワッシャーだけで済ませて、すぐ緩んだ
• 緩み止め接着剤を多量に塗って固着して外れなくなった
• ナイロンナットを再利用して保持力が落ちた
• トルク管理せず、緩み止めをしても意味がなかった
まとめ
緩み止めは「適材適所」で選ぼう
ねじの緩み止め対策は、コスト削減・安全性確保・メンテナンス性すべてに影響します。
現場での事故やトラブルを防ぐためにも、環境や用途に合った緩み止めを正しく選びましょう。
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