部品加工や組み立ての現場では、穴のサイズが合っているのか調べたいという場面に出くわします。
そんなときに便利なのが栓ゲージ。
使い方さえ覚えてしまえば、誰でもすぐに「合格・不合格」が判断できる便利な検査工具です。
今回は、「そもそも栓ゲージって何?」「どうやって使うの?」という初心者向けに、わかりやすく説明していきます!
栓ゲージってどんな道具?
簡単に言うと、穴の中のサイズ(内径)が正しく加工されているかどうかをチェックする工具です。
栓ゲージは基本的に、1つのサイズに対して2本1組で使います。
• 通り側 →「通ったらOK」
• 止まり側→「入っちゃダメ」
つまり、「通るほうは通る、止まるほうは止まる」が正解。
この2つを試すだけで、その穴が「規格通りかどうか」が一発でわかるんです。
栓ゲージの使い方(基本編)
【1】まずはワーク(製品)の準備
測定する前に、以下のチェックをしておきましょう。
• 穴の中にバリが残ってないか?
• 油や切りくずが入ってないか?
• 栓ゲージ自体が汚れていないか?
バリや異物があると正しく測れないので、ウエスなどで拭き取っておきましょう。
【2】通り側を入れてみる
最初に使うのが「通り側」のほう。
これは「このサイズまでは通っていいよ」という基準です。
軽く差し込んで、スーッと入るかどうかを確認します。
スッと入る → OK
入らない、もしくは途中で止まる → NG(穴が小さい)
ポイントは無理に押し込まないこと!
無理に入れるとゲージを壊したり、ワークにキズが入ったりするので注意です。
【3】止まり側をチェック
次は「止まり側」。
これは「ここまで大きくなったらアウトですよ」という上限サイズです。
こちらも軽く入れてみて、途中で止まればOKです。
奥まで入らない → OK(ちゃんと小さい)
最後まで入ってしまう → NG(穴が大きすぎる)
【4】結果を判断
まとめると、正しい穴はこうなります。
•通り側→ 入る
•止まり側→ 入らない
この2つが揃えば「合格」です!
よくあるミスと注意点
• ゲージをグイグイ押し込む(無理やり入れても意味なし)
• 斜めに差し込んでしまう(正確に測れません)
• 冷えてる部品とあったかい部品を混ぜて測る(温度差で寸法にズレが出ます)
ちゃんと見たつもりでも、測り方が雑だとあまり意味がないです。
落ち着いてまっすぐ差し込む。
力を入れすぎない。
これが大事です!
栓ゲージの種類と選び方
初心者向けには「通り・止まりのセット」になったシンプルなものがおすすめです。
慣れてくると、ネジ穴用の「ねじプラグゲージ」や、JIS規格の管理範囲に応じたタイプも扱うことになります。
選ぶときのポイントは
• 寸法精度(必要以上に高精度なものを選ぶとコスト高になります)
• 材質(ハードクロムメッキ・焼入れ鋼など)
• 使用頻度(毎日使うか、たまにしか使わないか)
栓ゲージのお手入れも大事!
精密工具なので、使いっぱなしはNGです。
• 使用後はウエスで拭く
• サビ防止のため軽く防錆油を塗る
• 専用ケースに戻す
• 月1くらいで精度確認 or 校正へ
現場で長く使うなら、メンテナンスも忘れずに!
まとめ
栓ゲージは、「見た目は地味だけど、めちゃくちゃ頼れる検査道具」です。
使い方はシンプルですが、正確に使うにはコツが必要。
慣れないうちは使い方を調べつつ正しく使えるようになっていきましょう!
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