ネジ用の穴を空けたりする為の工具にタップという物がありますが、よく使われるタップにはスパイラルタップ、ポイントタップ、ハンドタップ等があります。
タップには、雌ねじ加工をする際の切り屑を排出するための溝が作られております。
タップの種類は、この溝の形状によって種類分けされております。
今回はどんな時にどのタップを使うのかをご紹介します。
- 1.タップそれぞれの特長について
- 2.どんな時にどのタップを選ぶのか
- 3.種類以外に気をつけるポイント
- 4.タップの選び方のまとめ
タップそれぞれの特長に着いて
1.スパイラルタップ

スパイラルタップは止まり穴に使いますが、貫通穴でも使えます。
切りくずが手前側に排出されるように溝がねじれている形をしています。
切れ味が良く食付きやすいタップですが、切り屑がタップ自体に絡まりやすくなります。
その為、他のタップと比べると折れやすいタップとなります。
また、機械で量産品の製造に使用するもので手動用ではあまり使いません。
2.ポイントタップ

ポイントタップは貫通穴の専用のタップです。
タップが食付いた状態で逆回転させるときに折れやすい為、完全に貫通させる必要があります。止まり穴には使えません。
溝は真っ直ぐになっており、切りくずが加工方向へ排出されます。
貫通穴にしか使えませんが、折れにくいタップで、めねじ精度は安定しています。
また、切削速度は高く設定できる特徴があります。
こちらも基本は機械で量産品の製造に使うタップです。
3.ハンドタップ

名前の通り、手で加工するタップですが、機械でも加工する事もできるタップです。
ハンドタップは溝が真っ直ぐで刃先強度が強いのが特徴で、止まり穴でも貫通穴でも加工できます。
切り屑は細かく分断されやすいですが排出性が悪いです。
その為、定期的に切り屑を取り除く必要があります。
従来のハンドタップには1番、2番、3番の3つの種類があります。
どんな時にどんなタップを選ぶのか

1.スパイラルタップを選ぶ時
機械を使って鉄鋼材料に雌ねじ加工をする場合で【止まり穴】を空ける時にはスパイラルタップを選びます。
2.ポイントタップを選ぶ時
機械を使って鉄鋼材料に雌ねじ加工をする場合で【貫通穴】を空ける時にはスパイラルタップを選びます。
3.ハンドタップを選ぶ時
名前の通り、機械を使わずに雌ねじ加工をする場合はハンドタップを選びます。
種類以外に気をつけるポイント
1.ネジのピッチについて並目、細目
ネジには並目、細目といったピッチがありますので、自分が切りたいネジの
サイズとピッチを間違えないようにしましょう。
2.切りたいネジの種類
ネジの種類には基本的なMネジ(メートルねじ)の他にユニファイねじ(UNC、UNF等)や管用テーパーネジ(R、PT)など様々な規格がありますので、切りたいネジの種類も間違えないようにしましょう。
タップの選び方のまとめ
スパイラルタップ
・刃先強度は低いが、切れ味が良い。
・切りくずは手前に排出され、タップに巻き付きやすい。
・溝はねじれている。
・止まり穴用ですが、貫通穴も加工は可能です。
・基本的に止まり穴の場合に選ぶタップとなります。
ポイントタップ
・折れにくいタップ。
・切りくずは進行方向に排出されます。
・溝は真っ直ぐで刃先に切り込みが入っている。
・スパイラル、ハンドタップより切削速度を上げて加工可能です。
・貫通穴専用の為、貫通穴の場合に選ぶタップとなります。
ハンドタップ
・刃先強度が高い。
・切り屑は細かく分断されやすいが定期的に切り屑を取り除く必要がある。
・溝が真っ直ぐとなっている。
・止まり穴、貫通穴ともに加工が可能。
・機械を使わず手で加工する場合に選ぶタップとなります。
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